仮設住宅での（とりあえず）最後の日曜日。
すばらしい秋の空です。

台風10号により。
水はきてても便所が使えない
やっぱりタンクレスはダメですね
なにせバケツで流してるんだからと
市役所の職員さんに説明して
借りた仮設住宅。
そろそろお引越しします。

仮設住宅に荷物を運び入れた日。
所在からも“覚悟”していましたが、
我が鍬ヶ崎の住民ばかり。
知ってる御顔ばかりで
懐かしさがこみあげてきました。
うん、泣けます。

思ってたよりも快適じゃないか～。
畳も新しいし
風呂に追い焚きもあるしと
虫が出てくること以外は快適でした。
お花を世話している方や
出勤の朝に話しかけてくれるおじさんなど
「池波的人情長屋」な暮らしを楽しんでおりました。

とある休日。
用足ししてお昼過ぎに仮設住宅に戻ったら
知っている御顔のおばあさんが、
公園のベンチにぽつねんと座っていました。
震災で自宅を流されて
息子夫婦が高台に家を建てた方でした。
周りには友人がいない生活で
ここに来れば誰かと会えるかと思って…とのこと。
そういえば、私達の向かいのおばあさんは
震災からずっと仮設暮らし。
5年も。
やはりここは仮設住宅というものだと
感じました。

閑話休題。
高校で美術を教えていた義兄の話。
校外で写生をさせたら
皆が同じ場所で同じものを描き始めるとのこと。
もしも
私がドキュメント72時間の担当者だったら
今の仮設住宅に張り込みますネ。
震災からずっと仮設住宅に暮らす人。
台風でまた仮設住宅に戻った人。
区画整理が決まらず家を建てられない人。
夜にだけたまに見かける若いカップル。
わざと仮設住宅に住み続けていそうな人。
なかなかおもしろそうな（といえば叱られますが）、
人間模様が見える場所だと思います。
なのに
テレビを付けたら
「今日の特集は…冬こそラーメン！」的なものばかりで
これが平成28年の
岩手のテレビ局による番組なのかと
思わずのけぞります。
ラーメン特集も見ますがね
震災から台風まで
同じ場所向いてカンバス持ってちゃ
取りあげられるべき「題材」に
気がつかないでしょう。
もったいない

話は戻って…
11月になりいよいよ寒さがしみてきました。
仮設住宅限定だぞと
愛犬チロも布団の上で寝ています。
5年も経って
いったい何戸が暮らしているのかと夜回りしたら
10戸以上はありました。
東京オリンピックに沸くところもあれば
仮設住宅が未だ撤去できないところも未だあり…
などとよく耳にしますが、
オリンピックなんだから
セコくしないで立派なプールを作れ～！
ついでに
宮古市役所の移転も
こんな機会が無いんだから
6階建てなんて小さいこと言ってないで
25階ぐらいにしろ～！
とお客様も言ってました(笑)。
仮に
東京オリンピック運営で予算が余っても
そのお金は
なかなか東北には来ないでしょうから。

虫対策に詰めていた
畳の間のティッシュを取って
仮設住宅を掃除した日曜日は
素晴らしい秋の風が吹いておりました。

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